針金かけは樹にずいぶん負担をかける作業です。ですからできるだけ樹を傷めないように、よく利く太さの針金を選んで、樹皮をはがさないように注意しながらかけなければなりません。
樹勢の低下している樹や、弱い枝などにはかけないのが原則。できるだけ最小限度の範囲で針金をかけるよう心がけます。上達すれば、元気の良すぎる枝や芽に針金をかけて、力を抑制するという枝もあります。
針金かけは剪定と同じくほとんど一年中できますが、最適期となると松柏類が3月、雑木類は5~6月あたりです。できるだけ作業を避けたいのは真冬の12~2月あたりでしょう。
針金をかけるのは単なる途中経過であり、目的を達成するための手段です。針金かけの向こう側には、こういう樹にしたい、ここに枝を持ってきたいなどの樹形構想があります。この構想がはっきり明確でないと、針金かけは意味をなしません。ですから作業をに入る前にじっくりと樹を眺めて、方針を決めておきます。