※鉢の表面が汚れて土が固まっているので、水が浸透していかない。こうなる前に土を入れ替えたい。
盆栽初心者の方からよく耳にすることで、「水をあげているのに元気がなくなってしまった」という状態があります。
病気の可能性もありますが、その多くは「水切れ」が原因だと思われます。水は毎日あげているのに? と疑問に思われるかも知れませんが、土に問題があると、充分に灌水したつもりでも表面で水を弾いてしまい、鉢内に水が浸透しないことがあるのです。しかもこうした状況は特殊な事例ではなく、誰にでも起こりうる問題なのです。
盆栽の作業で重要な「植え替え」
盆栽の重要な作業の一つである「植え替え」。長く伸びた根が鉢内に充満しきる前に、根を短く切って再び植え直す作業のことですが、根を切るだけではなく、植えていた土を新しいものに入れ替えることも、植え替えの大きな目的の一つです。
土を長年入れ替えないで使っていると、粒子が崩れて細かな泥状となり、著しく水の浸透が悪くなります。こうなると、毎日水をあげていても水を弾いて鉢内に水分が浸透せず、水切れを起こしてしまうのです。
水やりの方法以前に、鉢内に水が浸透する環境をしっかりと作ってあげることも、樹を健全に育成する大切な要素です。
※枝先が萎れてくると水切れのサイン(左)。この程度ならすぐに水をあげると回復する。枝先の変化に注目(右)