7月〜8月の管理レシピ

真夏の管理方法

梅雨が明けると、一気に鉢土の乾燥が早まります。いつもは出かける直前にすましていた水やりも、少し早起きしてその時間を作らなければなりません。一日に3回の水やりができれば、ほぼ水切れで枯らすことはありません。でも、そうはいかないのが勤め人のつらいところ。朝夕2回の水やりだけで、この夏を越さなければなりません。決して無理なことではありませんが、それなりの対策はしておかなければならないでしょう。
まず直射日光に弱い樹種を半日陰の場所へ移動します。蝦夷松、さつき、アジサイ、紅葉を楽しみたい樹種などです。 寒冷紗 (かんれいしゃ)などの設備があれば一番ですが、なければ塀や棚下、よしずなどを利用して、午後2時以降の西日をカットできるようなところにおきます。
次に一日中しっかり陽にあてなければならない樹種の内、水切れに弱いもの、乾きの早い鉢などをなるべく同じところにまとめておきます。これで水やり作業がずいぶん単純化されます。
小品盆栽は浅いコンテナなどに砂利を敷き詰め、そこに半分くらい鉢を埋めるようにしておけば、かなり水切れが防げます。
そうした上でまだ水保ちに不安がある樹は、大きめの駄温鉢に埋めて二重鉢にしたりして対応すればよいでしょう。表土に水着を敷き詰めておくだけでもかなり水保ちがよくなります。
根が原因で起こる生理障害は、葉先から症状が現れます。葉の先端が茶色くなってきたら根が傷みはじめていると考えてよいでしょう。
水切れなどによって生理障害を生じた樹は、半日陰に移動して鉢を傾け、 葉水 を主体に管理します。いつも以上にたくさんやりたくなるのが人情ですが、根が傷んでいるので、通常より吸収力が低下しています。ドボドボと水をかけてもなかなか鉢土が乾かず、かえって根の状態を悪化させるだけなので、水のやりすぎに注意しなければなりません。

樹種別作業・管理ポイント

美男かずら  交配

美男かずらは7~8月の暑い時期に開花します。雌雄異株または同株。下垂して下向きに咲くので自然交配しにくく、人工交配で結実させます。雄花は早期に開花し、日が昇るともう花粉に勢いがなくなるので、朝5時くらいに起きて花を採取し、雌花の開花を待って交配します。同じ樹の花粉でも結実しますが、別の樹の花粉の方が結実率が高まります。雌しべにまんべんなく花粉をつけないと、丸いきれいな実になってくれないので要注意。

かりん  摘実

かりんは樹全体に実を付けるのではなく、1本に3~4個もあれば十分ですから、バランスをよく考え、不要な実は早めに整理しておきます。

ぶ な  葉切り

ぶなは二番芽が出そろいにくい樹種なので、 葉刈り を行いません。そのかわりに、外周部の大きな葉を半分くらいに切って、フトコロ芽に風や日光が当たりやすいようにしておきます。

7月~8月のワンポイントアドバイス
黒松 7月前半、小品盆栽の芽切り。二番芽が出たらやわらかい内に芽かきする。
五葉松 蒸れに弱いので、鉢と鉢の間隔を広くとる。葉水は夕方になってから
真 柏 新芽が伸びれば芽つみする
蝦夷松 水を好むので水切れ厳禁。関東以西は寒冷紗で西日を防ぐ
赤 松 しっかり陽に当てる。二番芽は早い内に処理する
杜 松 水切れ厳禁。水もたれする樹は鉢を傾ける。葉水の励行
芽つみ続行。水をよく好む樹種なので、他樹種よりも水を多めに
山もみじ 7月前半まで葉刈り可能。紅葉を楽しみたいのなら葉灼けを避ける
7月前半まで葉刈り可能。コブになる前に二番芽を整理する
けやき 葉刈りと徒長枝の切りつめができる。小枝の方向修正くらいなら針金かけも可
ぶ な フトコロへの日照・通風をよくするために大きな葉を切って小さくする
いぼた 芽つみ後の二番芽を整理
梅もどき 枝づくりに専念する場合は7月前半まで葉刈り可能。実が付きすぎたものは適当に間引く
かりん 針金の食い込に要注意。定期的な薬剤散布で病害虫を駆除する
ピラカンサ 結実したものは特に水切れ厳禁。小枝の針金かけ可能
姫りんご 定期的な薬剤散布で病害虫予防。葉灼けさせないようにする。
つる梅
もどき
不要なヒコバエは早めに切断する。多すぎる実は間引く
老爺柿 小枝への針金可能。枝の切り返しもできる。
まゆみ 葉灼けに注意し、しっかり水やりする
くちなし 水切れに注意する
きんず 徒長枝を切りつめる。小枝の針金かけ可能
美 男
かずら
水切れ厳禁。開花したら早朝5~6時頃に人工交配
さつき 品種によっては西日を寒冷紗でさえぎることも必要

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