蒸し暑く、空中の湿気が非常に高い季節となります。こういうときは、鉢土の表面は濡れていても中の方は乾燥していることがよくあるので、だまされないように注意しましょう。朝から雨が降っていたり、もうすぐ泣き出しそうな空模様の時は、ついつい水やりせずに出勤したりしますが、降ると思っていた雨が降らなかったり、お湿り程度でやんでしまうこともよくあるので、毎朝水やりだけは欠かさないようにします。
水やりは水分補給とともに鉢中の空気の入れ換えという役目も持っているので、1日1回はしっかりと水を通してやることが必要です。
その上で、水捌けの悪い樹や乾きの遅い樹は、鉢を傾けるなどして水抜けよくしておきます。特に薄くて間口の広い鉢ほど、水もたれしやすいようです。
梅雨の間は置き肥を取り外すか数を少なくして、肥料あたりを予防します。
6月〜7月の管理レシピ
日毎に新芽が生長して、小枝の軸が太っていきます。芽押さえのためにかけた針金など、あっという間に食い込んでしまうこともあるので、なるべく毎日確認するようにしましょう。
ちょっと食い込みはじめたら、新芽を折らないように気をつけて針金をはずし、 新梢 を2~3節残しに切りつめるか、もう一度針金をかけ直しておきます。
植え替えの時に、樹を固定するために使った針金も、そろそろ根張りに食い込みはじめているかもしれません。放っておいたままでは根が傷むので、そっと上土をかきながら確認しておきましょう。
生い茂った葉の影響で、 フトコロ の芽に日が当たらず、風通しも悪くなっています。 葉刈り できる樹種は、外周部の大きな葉を(葉柄を残して)切り、枝内部への日照・通風をよくします。鉢まわしや、鉢を傾けたりして、少しでもフトコロ芽に光が当たるよう工夫してやるとよいでしょう。
樹種別作業・管理ポイント
ピラカンサは短枝の先端に花が咲くので、生長期間中は 徒長枝 を剪定し、伸びすぎを抑制して、短枝をふやさなければなりません。
もう今年の花は結実しているので、結実していない 徒長枝 を1~2節に切りつめておきます。切り取った 新梢 は捨てずに挿し木しておきましょう。
比較的木質の硬い老爺柿は、まだやわらかい新芽の内に針金で模様をつけておきます。芽動きが遅めなので、芽押さえは6月から梅雨時期までが最適。上下の模様だけではく、左右の模様も忘れずに入れておきましょう。
新梢 は生長が早いので,針金の食い込みも早くなります。少し食い込みはじめた頃を見計らって針金をはずし、秋にもう一度かけ直すとよいでしょう。
黒松 | 6月20日頃から芽切り開始。古木はちょっと早め。小品は7月から |
五葉松 | 開いたばかりの新葉には絶対にさわらないこと。夕方の葉水は効果あり |
真 柏 | 芽つみ続行。新芽がかたまったら針金かけ可能 |
蝦夷松 | 6月中は芽つみ続行。他樹種より水を好むので、梅雨明け後は水切れ注意 |
赤 松 | 黒松より1週間ほど早めに芽切りする。文人木は葉すかしがポイント |
杜 松 | 梅雨中まで切り込み・植え替え可。芽つみは秋まで2~3回ほどが目安 |
杉 | 古葉をすかして風通しをよくしておく。秋まで芽つみ続行 |
山もみじ | 針金の食い込みに要注意。不要な二番芽は早めにかき取る |
楓 | 葉刈りと同時に植え替えも可能。針金の食い込みに要注意 |
けやき | 葉刈り後は二番芽が出そろうまで肥料を避ける。梅雨明けまで取り木の適期 |
ぶ な | 不定芽の処理は早めに。新梢を使って呼び接ぎ可能 |
いぼた | 芽つみ。二番芽が強く走る場合は再度切り戻す |
梅もどき | 6月頃開花。開花中に雄木と交配する。針金の食い込みに要注意 |
かりん | 実が止まったら肥培スタート。6月は取り木適期。針金は食い込む前にはずす |
ピラカンサ | 開花中は雨に当てない。若木は新芽を1~2節に切り込んで枝づくりに専念 |
姫りんご | 捨て枝に勢いを逃しながら、長く伸びた新芽を3~4節で止める |
つる梅 もどき |
5~6月に開花。枝づくりに専念する場合は6~7月に葉刈り可能 |
老爺柿 | 実生苗の曲付け適期。針金をかけて苗床から独立させる。枝の針金かけも適期 |
まゆみ | 5~6月開花。結実には雄木との交配が必要 |
くちなし | 6月開花。他のくちなしの花と人工交配すると結実率が高くなる |
きんず | 5~6月は取り木の適期。梅雨中は挿し木適期 |
美 男 かずら |
葉が大きく水を好むので水切れは絶対厳禁 |
さつき | 花後はお礼肥を与えて1週間休め、6月中に花後の剪定を終える |